シリアをめぐる一部始終-リチャード・ブラック上院議員の告白

           アレッポの解放を宣言するシリアのアサド大統領

シリアをめぐっては、
大雑把にいって2つの見方があります。

シリアでIS(イスラム国)を
倒すために

アメリカを中心に欧米が結束し
作戦を展開してきたのに、

ロシアが強引にシリアに介入し、
独裁者アサド大統領を助け、
無実の市民が多数殺されている。

この見方がひとつ。

シリアのアサド政権を転覆するために、
欧米はあの手この手で裏工作を行い、

IS(イスラム国)を世間の目を
盗んで支援・強化してきた。

ロシアは全く国際法上合法に
シリア政府の正式な要請に基づき、

IS(イスラム国)の退治をはじめた。

この見方がひとつ。

前者は、日米欧の主要メディアが
報じているもので、

多くの国民は純朴に
この図式を信じています。

後者は、アメリカ中枢部の
裏舞台を知る一部の人が、

「事実」として語っているものです。

この考えは、主要メディアで
採用されることは絶対になく、

アメリカでは
オルタナティブ・メディアを

通じて広く拡散され、
既存メディアは信用できないと

考え始めたアメリカ国民の
多くが知っていることです。

ドナルド・トランプ氏の発言は
こうした情報と

よく整合性が取れているので、
多くのアメリカ国民が、

ドナルド・トランプ氏は正直だ。
信頼できる。そう考えたのです。

ドナルド・トランプ氏の大統領当選は、
既存メディアが日常的に

「ウソ」を垂れ流していると、
アメリカ国民が判断したことを意味します。

わたしは、このことが
ドナルド・トランプ氏の当選の

最大の意義であったのではないかと
感じています。

日米欧では、「民主主義」の
政治システムが備わっています。

行動・発言の自由は保障されています
(最近の日本では怪しいですが)。

しかし、それらのベースになる
インプットする情報については
どうでしょうか?

既存メディアは、完全に政府の
影響力の下に置かれており、

どの媒体であれ、読み続けていれば
「正義」の定義が政府の望むものに

知らずに書き換わってしまいます。

日本では特に状況は深刻です。

安倍政権は、各メディア首脳との
会食をひんぱんに行い、

政権批判を完全に封じ込めることに
成功しています。

また、日本固有のシステムとして、
記者クラブ制度というものがあります。

政府も、地方自治体も、
主要メディアのみに

プレスリリースを行う仕組みで、
フリーランスの記者を
完全に排除しています。

日本では、「事実」を伝える媒体は、
スピ系の怪しいサイトであったり、

ただ単に体制批判を繰り返すだけの
サイトであったり、

信頼性の乏しいものしかありません。

IWJさんは、例外です。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓
IWJさんのサイトはこちらをクリック

これでは、民主主義といっても、
情報統制を受けているわけですから、

しかも戦後日本はほぼ
自民党の1党独裁状態ですから、

健全で建設的な議論は
キワモノとして
排除されるしかありません。

そのいい例が、山本太郎氏。

彼の言っていることは、
世界的に見れば

いわゆる「緑の党」勢力が
主張していることと何ら変わりなく、

一つのグローバル・スタンダードです。

実際、ドイツなどでは政権に参加した
実績もあり、

アメリカにおいてすら、
ジル・スタイン氏という大統領候補を立て、

一定の得票を得ています。

シリアにおける「事実」を伝え続けている
勇気ある一人に、

アメリカ上院議員の
リチャード・ブラック氏がいます。

彼の言うことがシリア情勢を理解するうえで
とても助けになるので、

今日は手を抜いて(笑)、
記事の翻訳をしたいとおもいます。

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オリジナルの記事はこちらをクリック

ANTINEOCONというサイトの記事です。運営者はRyan Dawson氏で、Russia Today, Press TV, CNN Headline News, MSNBC, The Daily Show with Jon Stewart, Al Jazeera, anti-war radio, Eddie Bravo Radio, George Galloway, Pat Buchananなど多数のメディアにも露出している、アメリカ社会では認められたジャーナリストの一人です。

「シリア戦争の起源」
リチャード・ブラック上院議員
(バージニア州選出)

2016年5月11日

<パラグラフⅠ>

シリア戦争は、決して国内の政情不安で
片付けられるものではありません。

最初から、シリア戦争は
外国勢力の介入によるものでした。

それは、NATOの諜報員とアラブ諸国の
独裁者たちによるものです。

フランスの前外相ロナルド・デュマス氏は
2009年、「イギリスがシリアを侵略する
部隊を準備している」と発言しました。

ニューヨーカー紙に、サイマ-・ハーシュ氏は
ブッシュ大統領が2007年に

シリアを不安定化させる
隠密作戦を命じたと話しました。

これはいわゆる「アラブの春」の
はるかに前の話です。

サウジアラビアは、財政援助と引き換えに、
この戦争プランを隠すのを助け、

結果として情報が一般にもれることを
防ぎました。アメリカ、フランス、
イギリスと湾岸諸国の独裁者たちは、

自由で民衆に支持されているシリア政府を
転覆する計画を練りました。

彼らは、悪意あるイスラム教徒たちに
暴力を扇動し、

シリアの人々に体制転換を強要する
準備をしました。

<パラグラフⅡ>

2011年には、シリアでは他のどのアラブ諸国に
比べても素晴らしい宗教的自由があり、

女性の権利が尊重されていました。

アサド大統領は、
あらゆる国々との平和を保ちました。

彼は宗教的自由を大事にし、
あらゆる信条を尊重しました。

戦争のさなかの2013年、キリスト教徒が
世界で最も大きなイエス・キリストの像の
ひとつを建てました。

それは、イスラエル、シリア、レバノンから
見えるように、山の頂上に建てられたのです。

わたしたちの同盟国である
サウジアラビアとカタールでは、

自国でそれに関わった人々の首を
はねました。

サウジアラビアは、シリアにたいして、
暴力的なイスラム聖法を

強要することを決めました。

サウジアラビアは、シリアに対して、
キリスト教徒やその他のマイノリティを

追放するように求めました。

民主的に選ばれたダマスカスの政府を
転覆することで、

シリアにおける宗教的自由と
女性の権利は永久に失われました。

<パラグラフⅢ>

2011年、アメリカ国務省とCIAは、

中東における世俗主義(国家の政権・政策や
政府機関が、特定の宗教権威・権力に
支配・左右されず、それらから独立した
世俗権力とその原則によって
支配されていなければならないという
主張・立場-Wikipediaより)の政府を

転覆する長期的なプランを打ち出しました。
国務省のプランは、

ワッハーブ派が中東の世俗主義政府を転覆し、
厳格なイスラム聖法を
押し付けるというものでした。

NATO司令官のウェストリー・クラーク氏は、
2001年にアメリカが7つの国家を

転覆させる計画であると知らされたと
明らかにしています。

その標的とされた国々はいずれも、
9.11のペンタゴン及びツインタワーへの攻撃とは

無関係でした。

ウィキリークスは、2006年にダマスカスの
アメリカ大使館が作った、

シリア政府を転覆するために革命を起こすという
プランについて公表しています。

2011年、クラーク将軍はシリアに対する
眠っていた武力侵略、秘密作戦のプランが

実行されたことを目の当たりにしました。

<パラグラフⅣ>

シリアのハマでは、全てのキリスト教徒の家々は
「ナザレ派」の象徴として

目印を付けられていました。

イスラム教徒の殺し屋たちは、
急進的なモスクから群れ出て

彼らを攻撃しました。

わずか3日間のうちに、
7万人のキリスト教徒が

アサド大統領の保護を求めて
ダマスカスに流れ込みました。

秘密部隊とイスラム教徒たちが
採用した戦略は、

ナチスが使ったものと同じです。

彼らはユダヤ人の不動産に
ダビデの星の目印をつけ、

1938年にクリスタルナハトで
ユダヤ人に対する蛮行を始めたのです。

<パラグラフⅤ>

ダラーでは、諜報部員が2011年に
スナイパーを雇い、

デモ主導者と警官を暗殺しました。

そうしておいて、アメリカはシリア政府を
殺人者として非難しました。

これはまったく典型的な
諜報機関のやり口です。

合法的なデモが最初の1か月間こそ
盛り上がりましたが、

「穏健派」の反乱などは
シリアでは全く見られませんでした。

暴力沙汰は、最初からアルカイダと
シリアのイスラム教徒たちによって
主導、組織化されたものでした。

<パラグラフⅥ>

その年の前半、CIA、イギリスのMI-6、
フランスのDGSEはリビアのカダフィ大佐を
失脚させ、

残虐な殺され方をするように
仕向けました。

彼らがカダフィの政治体制を
転覆した目的は、

トルコを通じての海路のために、
リビア軍を掌握することでした。

トルコは、捕虜になったリビア軍兵士を
国境を越えてシリアに送り込み、

シリア政権の転覆のために使いました。

アメリカも、イギリスも、フランスも、
カダフィ大佐が退位して、

彼らの卑劣な仕掛けを暴露されるのを
許せなかったのです。

ヒラリー・クリントン国務長官は、
浅はかにもカダフィ大佐の殺害について、

血のにおいがプンプンするような
興奮を隠せませんでした。

彼女はこうまくしたてました。

「ここまで来た!それみたことか!彼は死んだ!」

彼らのプランによって中東全域に
戦争の火が誘発され、

25万人が命を落とすことになりました。

<パラグラフⅦ>

シリア内戦のあいだ、トルコ領から
シリアへの攻撃がひっきりなしに
行われました。

アメリカ陸軍と
外国のジハード戦士たちは、

トルコのチャンネルを使って
シリアに大量の補給を行いました。

アルカイダとIS(イスラム国)は、
トルコ、カタール、クウェートから
資金援助を受けています。

2014年3月21日のトルコによる
5方面からのシリアに対する

越境侵略については、

西側メディアは完全な
報道管制を行いました。

ラタキア郡にいるキリスト教徒が
標的になりました。

そのために、アメリカが提供した600発の
TOW対戦車ミサイルが

アルカイダと連携した勢力の
手にわたっています。

それらのミサイルにより、
アルカイダはキリスト教徒とシリア軍の
戦線を打ち破り、

キリスト教徒の町カサブを
掌握することができました。

13人のキリスト教徒が
そこで斬首されました。

キリスト教教会は粗末に扱われました。

キリスト教徒の墓場にある墓石は、
組織的に破壊されました。

トルコには、1世紀以上にわたる
恥ずべき反キリスト教大量虐殺の
歴史があります。

それが、今日シリアで兵士や
ジハード戦士たちが

アルカイダやIS(イスラム国)に至るまでの
原則なのです。

<パラグラフⅧ>

トルコの諜報員は、2013年にゴウタで
サリンガスによる攻撃を行いました。

2013年6月6日、トルコの国境警備員が
トルコからシリアに越境しようとする
アルカイダ戦士を捕捉し、

2.2kgのサリンガスを
保持していたことが

広く報道されました。

その数週間後、2013年8月21日、
トルコの諜報員とアルカイダは

サリンガスを使ってダマスカスで
1300人のシリア市民を殺害しました。

準備されたシナリオ通りに、
プロパガンダの策略により、

即座にアサド大統領が非難されました。

イギリス政府、アメリカ政府は、
シリアに対する直接攻撃の伏線として、

サリンガス攻撃を仕掛けました。

しかし、イギリス議会がキャメロン首相に
介入反対の意思表示をしたため、

そうした試みは失敗しました。

これはキャメロン首相にとっては打撃でした。

オバマ政権の戦争への勢いも、
その直後にしぼんでいきました。

シリア攻撃のために派遣した
6隻のフリゲート艦が、

シリア海域から引き返してきて
しまったからです。

<パラグラフⅨ>

アサド大統領が毒ガス攻撃を命じた
という主張は、

完全に虚偽であることが分かりました。

トルコの卑劣な毒ガス戦争犯罪の詳細は、

ピューリッツァー賞受賞者である
セイマー・ハーシュ氏が

彼のリポート「赤いラインとネズミのライン」で、

尊敬すべきライターのヨセフ・ボダンスキー氏が
「ホワイトハウスはシリアの
化学攻撃を助けたのか?」という

渾身の記事で明らかにされています。

今日、国家にコントロールされたメディアは
繰り返しアサド大統領の化学攻撃を
非難しますが、

全く根拠がありません。

2015年10月21日、トルコ議会の
メンバーであるエレン・アーデム氏と
アリ・セッカー氏は

イスタンブールにおける記者会見で、

たぐいまれなる勇気を持って、
こう明らかにしました。

トルコはヌスラ戦線に
サリンガスとミサイルを供給し、

それはダマスカスでの攻撃で使用された。

トルコの暴力的なエルドリアン大統領は、
二人を即座に国家反逆罪に問いました。

<パラグラフⅩ>

犯罪人はテロリストであり、
シリア人ではありません。

シリアの監獄では、
反乱軍とされた人に対して、

できるだけのことがなされています。

反対に、反乱軍は監獄がありません。

彼らは、捕虜を殺害します。

斬首、張り付け、火あぶり、
鉄の檻での溺死、

反乱軍は囚人の大量処刑や
戦場での人肉食について、

数多くのビデオを投稿しています。

犠牲者の多くは、女性、子供、僧侶、
老人など非戦闘員です。

国際法は明確です。こうした犯罪をおかす
テロリストは、ジュネーブ条約の下での
保護は適用されないということです。

テロリストたちが自爆テロで市民を標的にし、
シリアの女性たちを残忍に扱い、
その息子たちを斬首しても、

それに対する反応は
優しいものというのが現状です。

<パラグラフⅪ>

西側諸国が、テロリズムを促進しています。

悲しいことに、フランス、イギリス、
アメリカ各政府はジハード戦士の

テロリストを60もの国々から集め、
訓練し、武装させ、組織化し、

シリアの侵略と不安定化に利用してきました。

彼らは、どんなゾッとするようなことでも、
シリアを転覆するために
どんな手段でも使うつもりです。

ジハード戦士の訓練は、ヨルダン、トルコ、
サウジアラビア、カタールで行われています。

実際には、アメリカがテロリストたちの
給料を支払っています。

かれらはしばしばCIAのキャンプを卒業し、
アルカイダやIS(イスラム国)に参加、

大量虐殺、斬首、張り付けを実行します。

そうした西側諸国によって
訓練されたテロリストたちは、

キリスト教徒やクルド人女性を
奴隷として扱います。

彼らとその子供たちをレイプします。

これは、恥ずべき戦争-
あらゆる意味において
シリアに対する卑劣な犯罪です。

<パラグラフⅫ>

IS(イスラム国)に対する、
アメリカ主導の有志連合は

完全な見せかけです。

IS(イスラム国)を爆撃するように
みせかけ、75%の爆撃機が

敵と遭遇することなく返っていきます。

アメリカがかつて戦ってきた
すべての戦争において、

アメリカは敵国の首都を
攻めてきました。

これは声を大にして言いますが、

ロシアがやってくる前、

IS(イスラム国)の首都ラッカは、
真剣に攻撃の対象と
されていませんでした。

アメリカ空軍の振る舞いは、
IS(イスラム国)を利しています。

トルコが「反IS(イスラム国)連合」に
参加したとき、

300回の空爆が味方である
クルド人に向けられました。

しかし、IS(イスラム国)に対しては、
たったの3回でした。

トルコは、IS(イスラム国)及び
アルカイダと緊密な同盟関係にあります。

トルコは彼らに壊滅的な打撃を
与えようとはしないでしょう。

予測に反してロシアがシリアに
やってきたことは、

アメリカ主導の有志連合に
大きな困惑をもたらしました。

世界的には、ロシアは実利を
優先することが知られています。

NATOや湾岸諸国の独裁者たちは、
気まずいながらも

IS(イスラム国)に反対すると
主張する一方で、

ロシアが本気でテロリストたちと
対決する姿勢をみせたことに

いら立っています。

IS(イスラム国)もアルカイダも、
ロシアの実利主義を知っています。

有志連合との間で繰り広げたような、
まやかしの戦争にはならないでしょう。

世界の多くが、ロシアの
テロリズムに対する本気のアプローチを
賞賛しています。

彼らは、NATOと湾岸独裁国のような
みえすいたゲームをすることはないでしょう。

私の見解を記します。

  1. 民主的に選ばれたシリア政府を取り除く権利はどの国にもありません。
  2. シリアの傀儡政府を自分たちで選んで合法的につくりあげることはどの国にもできません。
  3. シリアにおける中立的、もしくは非戦闘員に対する有志連合の介入は本質的に犯罪です。
  4. 主権を持つシリアの領空を合法的に侵犯したり、シリアにその了解なく「非飛行区域」を宣言するのはどの国にもできません。
  5. シリアにおける恐ろしい虐殺は、完全にアメリカの責任です。イギリス、フランス、サウジ、カタール、トルコの軍事介入、そして体制転覆の試みの失敗によるものです。
  6. ダマスカス郊外のゴウタで起きた1300人の市民が死んだサリンガス戦争犯罪は原則としてトルコに責任があります。
  7. 今すすんでいるアクションは、無慈悲で、流血につながり、倫理的におぞましいものです。

サポートのメッセージにあらためて
お礼を申し上げます。

シリアに関する真実を広めるために、

アメリカの外交を改善する
必要性について話すために、

私のできることをやり続けます。

敬具

リチャード・H・ブラック
バージニア州選出上院議員
Twitter: @SenRichardBlack
www.SenatorBlack.com

 

翻訳責任者:溝渕卓生


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